専門家の判断 Expert Judgement
よく知っている人(現場の担当者、業務に精通した人、有識者など)が判断すること。単に、資格保持者(PMPや弁護士など)を指すわけではありません。
英語ではSME(Subject Matter Expert)という表現もよくつかわれます。
PMBOK🄬Guide第6版では以下のプロセスのツールとして専門家の判断が登場します。
立上 | 計画 | 実行 | 監視・コントロール | 終結 |
4.1プロジェクト憲章作成① | 4.2プロジェクトマネジメント計画書作成① | 4.3プロジェクト作業の指揮マネジメント① 4.4知識のマネジメント① |
4.5プロジェクトの監視コントロール① 4.6統合変更管理① |
4.7プロジェクトやフェーズの終結① |
5.1スコープマネジメント計画②⑤ 5.2要求収集⑤ 5.3スコープ定義⑤ 5.4WBS作成⑤⑦ |
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6.1スケジュールマネジメント計画② 6.2アクティビティ定義⑦ 6.4アクティビティ所要期間見積り③ |
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7.1コストマネジメント計画② 7.2コスト見積③ 7.3予算設定 |
7.4コストのコントロール | |||
8.1品質マネジメント計画② | ||||
9.1資源マネジメント計画② 9.2アクティビティ資源見積り③ |
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10.1コミュニケーションマネジメント計画② | 10.3コミュニケーションの監視 | |||
11.1リスクマネジメント計画②⑥ 11.2リスク特定④⑥ 11.3定性分析⑥ 11.4定量分析⑥ 11.5リスク対応計画⑥ |
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12.1調達マネジメント計画② | 12.2調達の実行 | 12.3調達のコントロール | ||
13.1ステークホルダー特定④ | 13.2ステークホルルダーエンゲージメント計画② | 13.3ステークホルダーエンゲージメントの実行 |
ツールと技法 共通パターン
① (第4章)統合マネジメントのすべてのプロセスで「専門家の判断」を行います。プロジェクトはPMや現場のことをよく知っている人にマネジメントされるのが好ましいと言えます。
② すべての知識エリアのマネジメント計画策定プロセスには「専門家の判断」が使われます。計画の際にはPMや現場のことをよく知っている人が参画するのが望ましいといえます。
③ すべての見積りプロセス(所要期間、コスト、資源)には「専門家の判断」が使われます。特に類推見積りは、過去の情報に基づき専門家が判断する見積りで、過去の情報が似たプロジェクトであり、見積もり者が詳しい専門家であるほど、より精緻な見積りを類推することができます。
④ すべての特定プロセス(リスク、ステークホルダー)では「専門家の判断」が必要となります。よく知っている人であれば、より具体的なリストアップができます。
⑤ (第5章)スコープマネジメントのすべての計画プロセスで「専門家の判断」が使われます。ビジネスアナリストなどの要求引き出しや要求分析の専門家が参画すると、プロジェクトの最も難関ともいえるスコープベースラインを明確にしやすくなります。
⑥ (第11章)リスクマネジメントのすべての計画プロセスで「専門家の判断」が使われます。リスクは将来起こるかもしれないことですから、業務やその分野をよく知っている専門家に参画してもらうとよいといえます。
⑦ WBS作成やアクティビティ定義など、要素分解が必要なプロセスでは、業務に精通した担当者などが専門家としてブレークダウンすることで、正確に分解できたり、その担当者の参画意識が高まったりします。
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