プロジェクト憲章
プロジェクト憲章は、憲法の“憲”という字がついていますが、プロジェクトで最も重要な文書です。
英語ではProject Charterで、Chaeterは憲法の草分けとなった“英国のマグナ・カルタ1”のカルタと同じ語源です。
プロジェクトの一番最初に、目的や内容、プロジェクト・マネジャーなど概要が記載され、スポンサーやイニシエーター(発案者、発起人、プロデューサーなど)の承認を得ることにより、正式にそのプロジェクトが発足したことを明示します。チャンピオン2(責任者、権限者、推進者の意味)と呼ばれる場合もあります。
特に、プロジェクト・マネージャの氏名や役割が記載されていることにより、スポンサーから与えられた資金や、(人的)資源に対する権限をプロジェクト・マネジャーが行使する根拠となります。これが開示されているから、プロジェクト・マネジャーはお金を使ったり、メンバーに命令したりできることになります。
人の流動性が少ない日本の組織の中では、リーダーが誰か互いにすぐわかります。でも、米国のような人材の流動が激しい組織や、初対面のメンバー同士、通常の組織を離れたプロジェクトなどでは、誰がリーダーとして意思決定するのか明確にするために「プロジェクト憲章」は重要です。
また、日本の場合はリーダーの“鶴の一声”ではなく関係者の合意でものごとが決まることが少なくありませんが、米国などのように責任者に多大な権限と責任が集約する組織では、プロジェクト・マネージャーの責任の範囲を明確にしておかなければ、成功の功績だけでなく失敗の責任もふりかかってくることになります。
PMBOK(R)第6版では、プロジェクト憲章に記載すべき事項として、以下等を挙げています。
- プロジェクト目的
- 測定可能なプロジェクト目標と関連んする成功基準
- ハイレベルの前提条件、制約条件
- ハイレベルの要求事項
- ハイレベルのプロジェクト記述、境界、および主要成果物
- プロジェクトの全体リスク
- 要約マイルストーン・スケジュール
- 事前承認された財源
- 主要ステークホルダー・リスト
- プロジェクト承認事項(判断基準、判断者、受入承認者など)
- プロジェクト終了基準(中止判断基準など)
- 任命されたプロジェクト・マネジャー、その責任と権限レベル
- プロジェクト憲章を認可するスポンサーなどの氏名や地位
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