資源要求事項・資源カレンダー
資源要求事項
PMBOK🄬Guide第6版「9.2アクティビティ資源の見積り」では、各アクティビティに必要な資源(人、モノなど)を見積もります。アクティビティレベルではなく、タスクやワークパッケージレベルと言い換えることもできますが、全体ではなく個別の詳細な仕事の単位で資源を見積もるのです。
—–資源要求事項をアウトプットとするプロセス
どのようにして、作業の必要資源を決定・調整するのか
➤「9.2アクティビティ資源の見積り」様々な見積り手法を使って、各ワークパッケージのアクティビティに必要な資源の種類や量を見積もって決めます。識別コードなどで、WBSに紐づいていれば、ワークパッケージレベルやコントロール・アカウントレベル(または、リーダーが管理するレベルやプロジェクト・マネージャが管理するレベル)など、必要な粒度で集計することもできます。
➤「6.5スケジュールの作成」全体スケジュールの調整にあたって、資源平準化などの技法を使った場合など、当初に考えていた資源の種類や分量などを変更調整しなければならないかもしれません。
➤「12.3調達のコントロール」資源を外注した際の出来栄えやパフォーマンスが、当初の計画と違う結果になる場合など、当初の資源見積りを変更調整しなければならない場合もあるかもしれません。
—–資源要求事項をインプットとするプロセス
何のために、必要資源の情報を使うのか
PMBOK🄬Guide第6版の、下記のプロセスの作業を行うための情報として役立ちます。
➤「6.4アクティビティ所要期間見積り」利用できる人(人数、スキルなど)やモノ(原材料、機械、資材など)によって、作業にかかる時間が変わるので、各作業の所要期間を見積もる根拠にできます。
➤「6.5スケジュールの作成」プロジェクトの各作業を全体スケジュールとして統合調整する際に、各作業で利用する資源(人、モノ)のタイプや量などが、資源カレンダー(資源を利用する時期)などと共に参照されます。
➤「7.2コスト見積り」利用できる人(人数、スキルなど)やモノ(原材料、機械、資材など)によって、作業にかかるコストが変わるので、各作業のコストを見積もる根拠にできます。
➤「9.1プロジェクト資源のマネジメントの計画」各作業に必要な人(人数、スキルなど)やモノ(原材料、機械、資材など)などを、どのように入手するのか計画します。
➤「9.3資源の獲得」資源マネジメント計画書で計画されたとおりに、人やモノを入手します。
➤「9.6資源のコントロール」人やモノなどの資源の状況を変化がないかどうかモニタリングします。
➤「11.2リスクの特定」人やモノなどの資源の入手や利用について、リスクが考えられるかどうか検討し洗い出しします。
➤「11.4定量的リスク分析」上記のプロセスで挙げられた資源に関するリスクの発生確率や影響度(被害額など)を定量的に分析します。
➤「12.1調達マネジメント計画」必要な資源(人、モノ)を、組織内部で入手できるのか外部から調達した方がいいのか分析し、外部から調達する場合にはその方法を計画します。
資源カレンダー
資源(人、モノ)と時期を同時に、表やグラフなどで可視化した資料です。

資源カレンダー例(c)curious-sdmlab.com

(c)curious-sdmlab.com
このような棒グラフを「資源ヒストグラム」と呼ぶ場合もあります。
—–資源カレンダーをアウトプットとするプロセス
どのようにして、資源の必要時期や利用可能な時期を決定・調整するのか
➤「9.3資源の獲得」実際に資源(人、モノ)の獲得が決まったら、その資源を利用できる時期も決まります。
➤「12.2調達の実行」資源を外注した際には、組織外部の資源を利用できる時期が決まります。
➤「6.6スケジュールのコントロール」スケジュールのコントロール時に資源平準化などの技法を使った場合など、当初に考えていた資源の利用時期などの変更があれば資源カレンダーも変更(要求)します。
➤「9.4資源のコントロール」やモノなどが利用できる時期などの変更があれば、資源カレンダーを変更(要求)します。
—–資源カレンダーをインプットとするプロセス
何のために、資源が利用できる時期の情報が必要なのか
PMBOK第6版の下記のプロセスの作業を行うための情報として役立ちます。
➤「6.4アクティビティ所要期間見積り」資源(人やモノ)がいつ、どれくらいの期間利用できるかによって、個別の作業にかかる時間が変わるので、各作業の所要期間を見積もる根拠にできます。
➤「6.5スケジュールの作成」資源(人やモノ)がいつ、どれくらいの期間利用できるか参照しながら、全体スケジュールを統合調整します。
➤「6.6スケジュールのコントロール」資源(人やモノ)の利用できる時期を参照しながら、予定どおりの資源の準備や利用の状況かどうかモニタリングし、必要があれば追加のアクションを要求します。
➤「9.2アクティビティ資源の見積り」資源カレンダーには休日などのを含めた利用可能な資源が掲載されています。モノ(原材料、機械、資材など)や人を使える時期や期間のほか、人的資源(人)の地理的状況やスキルなども掲載される場合もあり、各作業に対してどのような資源を使えるのか見積もるの際に参考にします。
➤「9.3資源の獲得」資源カレンダーに掲載されている人やモノが必要な時期を参照して、資源を入手するための活動を行います。
➤「9.4チーム育成」資源カレンダーに掲載されているメンバーの参画時期を参照して、トレーニングやチーム作りの活動の時期を決める参考にします。
➤「9.6資源のコントロール」人やモノなどの資源の状況に変化がないかどうかモニタリングします。
➤「11.5リスク対応策の計画」リスク対策として利用できる資源を決める参考にします。
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