発生がわかりやすくて、プロジェクトに近くて、影響が大きいリスクを、リスクとして認めないのは何故ですか?

PMBOK / PMP
PMBOK第6版11.3.2.6 図11-10.検出可能度、近接度、影響度を示すバブルチャートの例
この記事は約6分で読めます。

発生がわかりやすくて、プロジェクトに近くて、影響が大きいリスクを、リスクとして認めないのは何故ですか?

➤PMBOK第6版11.3.2.6 図11-10.検出可能度、近接度、影響度を示すバブルチャートの例に関する質問です。1 2
図の右上にあたる、検出可能度が高くて近接度が高く影響度が大きいリスクは「受け入れ不可」とされ、右下にあたる検出可能度が低くて近接度が低く影響度が小さいリスクは「受け入れ可」とされています。(版により記載ミスがあるPMBOK🄬Guideがあります。図の記載を確認してください)
➤リスクが起こりそうなことがわかりやすくてプロジェクトに近く影響が多いほど、リスクとして挙げてしっかり対応しなければならないのに「受け入れ不可」つまり”リスクとして認識すべきではない”。リスクが起こりそうなことがわかりにくくてプロジェクトに遠く影響が少ないのは放置しておいてもいいのに「受け入れ可」つまり”リスクとして認識すべき”と記載してあることに疑問を持たれたようです。
➤この「受け入れ」という表現を、”リスクとしての認識”という解釈にしてしまうと、確かに疑問に感じますね。

この「受け入れ」をリスク対策の「受容」と考えてみてください。
まずは、各用語の定義を確認してみましょう。

【検出可能度 detectability】リスクが発生した、または発生しそうなことの結果が検出され、認識されることの容易さ(the ease)。リスクの発生が容易に検出される場合は、検出可能度は高い。(PMBOK🄬Guide V.6, 11.3.2.3)
【近接度 proximity】リスクがひとつ以上のプロジェクトに影響を与えるまでの期間(the period of time)。短期間とは近接度が高いことを示す。(PMBOK🄬Guide V.6, 11.3.2.3)
【受容 accept】リスク受容は、脅威の存在を認めるがいかなる積極的な行動もとらない。優先度の低い脅威に適しており、他の方法では脅威への対処が不可能な時や、コスト効率が妥当でない場合に採用する。(PMBOK🄬Guide V.6, 11.5.2.4, 11.5.2.5)
【リスク受容 unacceptance】リスク対応戦略のひとつ。プロジェクト・チームはリスクを認識しつつ、実際に起こらない限り何の措置もとらない。(PMBOK🄬Guide V.6, 用語集3.)

以上を踏まえると、
➤図の右上の「このエリアの大きいバブルは受け入れ不可 Large babbles in this area are unacceptable」との記載の意味は、
検出可能度が高く(リスクが発生しそうなことをみつけやすい)、近接度が高く(リスクがプロジェクトに影響を与えるまでの時間が短い)、影響が大きいリスクは、優先度が高いので早急に何らかの具体的な対策を考えなければならない(受容できない、つまり「受容(積極的に何もしない)」という対応策は適切ではない)と理解することができます。
➤図の左下の「このエリアの小さいバブルは受け入れ可 Small babbles in this area are acceptable」との記載の意味は、
検出度が低く(リスクがいつ発生するかわかりにくい)、近接度が高く(リスクがプロジェクトに影響するまでの時間が短い)、影響が小さいリスクは、優先度が低いので「受容(リスクがあることは認識しているが積極的な行動は特になにも行わないで様子を見る)」の対応策が適切である、と理解することができます。

➤例えば、
天気予報で明日来るとわかっている大きな台風で電車の運転見合わせが起こりそうな場合、「今は何もしないで(受容)台風が上陸してから考えよう」と言ってられません。事前に「警報が発令された場合は自宅でオンライン勤務とします」と関係者にお知らせするなどのリスク対策を行いますね。
逆に今から100年後くらいに震度3程度のあまり被害のない地震が起こる可能性がありそうな場合、急いで具体的な対策を考えなくてもいいですね。起こる可能性には気づいているけれども、それを受け入れ、今すぐには何もしません。これが受容という対応策です。

【バブルチャート】3
3種類の要素をx軸y軸以外にバブルの大きさを使って表現できる図。散布図4(scatter plot, scatter chartとも言う5)の一種。x、y以外の要素は、円(disk)の直径で表されるが、ゼロや負は表現できない問題点があります。

色を使えば更にもうひとつの要素も表現できそうですね。
ゼロや負の値も色を使って正の値と区別できそうです。
(サイト内リンク)QC7つ道具 散布図

【散布図】6

散布図の例(さんぷず、英: scatter plot)は、縦軸、横軸に2項目の量や大きさ等を対応させ、データを点でプロットしたものである7。分布図ともいう。各データは2項目の量や大きさ等を持ったものである。日本工業規格では、「二つの特性を横軸と縦軸とし,観測値を打点して作るグラフ表示」と定義している8
散布図には、2項目の分布、相関関係を把握できる特長がある。データ群が右上がりに分布する傾向であれば正の相関があり、右下がりに分布する傾向であれば負の相関がある。

「散布図」は相関関係を表現している図で因果関係ではないことに注意しましょう。
英語ではScatter plot (またはscatter graph, scatter chart, scattergram, scatter diagramなど)9といい、プロット図(データの集合の描画技法)1011やMathematical diagram(数学的表現)12などの一種とされます。 Matrix of scatter plots of three random variables along with the 3D visualization of the data. generalized scatterplot matrix(般化散布図?)は、複数の要素を立体として表現し、展開図のような視点で可視化しています。13

  1. PMBOKGuideV.6English
  2. PMBOKGuide日本語版第6版
  3. Wikipedia(English)
  4. ウィキペディア(日本語)
  5. Wikipedia(English)
  6. ウィキペディア(日本語)
  7. 西岡康夫 『数学チュートリアル やさしく語る 確率統計』 オーム社、2013年。ISBN 9784274214073,p20
  8. JIS Z 8101-1:1999 統計 − 用語と記号 − 第1部:確率及び一般統計用語, 日本規格協会, (1999)
  9. Wikipedia(English)
  10. ウィキペディア(日本語)
  11. Wikipedia(English)
  12. Wikipedia(English)
  13. Emerson, John W.; Green, Walton A.; Schoerke, Barret; Crowley, Jason (2013). “The Generalized Pairs Plot“. Journal of Computational and Graphical Statistics. 22 (1): 79–91. doi:10.1080/10618600.2012.694762.

コメント

タイトルとURLをコピーしました